いびきをかく人は、日本人男性の24%、女性で10%といわています。いびきは、空気の通り道である気道が狭くなることでおこります。さらに気道が狭くなると完全に閉塞し「睡眠時無呼吸」になります。無呼吸のあいだ体は酸素を取り入れることができません。息を止めていて苦しくなるのと同じです。脳は、せっかく睡眠中休んでいたのに、これは大変だと、いそいで起きて呼吸するよう指令をだします。その結果、睡眠の質が悪化し日中の眠気などにつながり、交通事故や、仕事に支障をきたす可能性があります。また、重度の睡眠時無呼吸のかたは、そうでない人と比べ循環器疾患で死亡する確率が4.7倍高いという報告もあります。
閉塞性睡眠時無呼吸症候群と医科の先生から診断され、軽度から中度の場合マウスピースによる治療ができる場合があります。重度の場合は、CPAPと呼ばれる装置などが使用されます。CPAPは、鼻マスク持続陽圧呼吸療法と呼ばれ器械で一定の圧をかけて送り出された空気によって閉塞した気道を開き呼吸しやすくする装置です。高い効果が見込まれる装置ですが、電源が必要で持ち運びしなければいけないという欠点があります。そのため、科医院でつくるマウスピースによる装置を使用・併用することがあります。
装置の製作は、以下の流れになります。
1.問診
2.検査
3.かたどり
4.かみ合わせ検査
5.装着・調整
問診では、症状はもちろん、病院で検査した結果AHI(1時間あたりの無呼吸・低呼吸数)や、服用中のお薬、生活習慣などお聞きします。検査では、歯や歯茎の状態など検査しマウスピースがつくれるか診断します。その際には、レントゲンを撮影する場合もあります。装置が完成したあとは、無呼吸症候群の症状が軽減しているか、顎や筋肉に痛みがでていないかなど経過観察していきます。